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2015年1-3月期のGDPギャップ

2四半期連続でマイナス幅が縮小したが、力強さに欠ける

2015年06月01日

金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

◆2015年1-3月期GDP(一次速報)の結果を反映して大和総研が試算した同四半期のGDPギャップは▲1.7%となり、2014年10-12月期の▲2.2%からマイナス幅が0.5%pt縮小した。また、実質GDPの成長ペースが加速したことから、GDPギャップの改善幅は前四半期(0.2%の改善)よりも拡大した。ただし、全体的に見ると、GDPギャップの改善ペースは依然として力強さに欠けると評価できる。


◆GDPギャップは、①資本投入要因、②労働投入要因、③TFP(全要素生産性)要因、の3つに分解ができる。今回は、TFP要因のマイナス寄与が拡大したものの、労働市場の改善を背景に労働投入要因がプラス寄与に転じたことや、企業の生産活動が総じて持ち直す中、資本投入要因のマイナス寄与が小幅ながらも改善したことで、GDPギャップのマイナス幅が縮小した。


◆GDPギャップの改善ペースが依然として力強さに欠けることに加えて、物価の背景や基調を示す3つの指標の中身が総じて冴えない結果になったことを勘案すると、わが国では、デフレ脱却に向けた動きが足踏みを続けていると評価できる。物価の基調を示すGDPデフレーターとコアCPIの前年比(消費税を除くベース)は、昨年夏場以降の原油価格の下落によって方向感が大きく異なっている。


◆最近、GDPギャップに関して、内閣府と日本銀行の推計値が大きく乖離している問題が指摘されている。その原因としては、①推計方法のアプローチが異なること、②製造業の稼働率における調整方法の違い、という2点が指摘できる。両者が大きく乖離している現状を踏まえると、より詳細な推計方法を公表するなど、一段の情報開示に期待したい。

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