サマリー
◆2013年5月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+10.5%と2ヶ月ぶりに増加し、市場コンセンサス(同+1.9%)を大幅に上回った。
◆需要者別の内訳を見ると、製造業は前月比+3.8%と2ヶ月ぶりの増加、非製造業(船舶・電力を除く)も前月比+25.4%と2ヶ月ぶりの増加となった。製造業では、「化学工業」や「一般機械」の増加が全体を押し上げた。非製造業の大幅増加の主因は「金融業・保険業」、「運輸業・郵便業」が大幅に増加したことである。
◆外需は前月比+10.3%と2ヶ月ぶりに増加した。機械輸出の動向を見ると、堅調な動きが続く米国向けに加えて、中国向けでも底入れの兆しが見える。今後本格化する円安効果の追い風を受けて、外需は増加が続く見込みである。
◆大和総研では、4-6月期の機械受注は5四半期ぶりの増加に転じる可能性が高いとみている。日銀短観の設備投資判断DIを見ると、非製造業で設備の不足感の高まりが顕著である。通信業や小売業などで積極的な設備投資が行われる可能性があるだろう。製造業では依然として設備の過剰感が続いているものの、消費の拡大や円安を追い風とした国内外の需要増加によって、広く収益が改善する見込みである。生産能力の拡大には至らない可能性が高いが、老朽化した設備を更新することで、生産性の向上につながるような投資が徐々に増加してくるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日