1月消費統計

消費者マインドの改善により、個人消費支出は大幅増加

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2013年03月01日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆2013年1月の家計調査によると、実質消費支出は前年比+2.4%と2ヶ月ぶりのプラスとなった。季節調整値で見ると前月比+1.9%と2ヶ月ぶりの増加、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同+1.8%と2ヶ月連続の増加となった。供給側の統計である小売販売金額も増加しており、消費者マインドは大幅な改善となっていることから、2013年1月の個人消費は大幅な改善となったと評価している。


◆消費支出の動向を、「基礎的支出」と「選択的支出」に分けて見ると、足下で「選択的支出」は増加に転じているものの、「基礎的支出」に関しては横ばいでの推移となっている。このギャップの背景には消費者マインドの改善が影響している模様である。


◆2013年1月の個人消費は大幅な改善となったものの、消費者マインドの改善に拠るところが大きい。必需品に対する消費は依然として低水準で推移していることからも、個人消費が本格的に増加するためには、所得環境の改善が不可欠であることは明らかである。ただし、企業活動は徐々に活発化しており、所得環境は徐々に改善に向かうと考えられるため、個人消費は今後も安定的に増加を続ける見込みである。

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