サマリー
◆【概況】内需を中心に落ち込む:5月の機械受注統計は、内需を中心に若干不安が残る結果となったが、反動減による要因の他、一時的な下振れと言える。国内の機械設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比▲14.8%と市場コンセンサスを大きく下回った。基調を確かめるため、来月以降の数字を注視したい。
◆【受注の主要内訳】製造業・非製造業ともに落ち込む:需要者別では、製造業が前月比▲8.0%、非製造業(船舶・電力を除く)は同▲6.4%と全般にわたって落ち込んでいる。水準でみても、これまで欧州債務問題や円高などのリスク要因が重石となって横ばいの推移を続けていた製造業が弱い。他方、外需に関しては、前月比+0.3%と2ヶ月連続で増加した。
◆【今後の見通し】設備投資は回復へ: 6月の日銀短観によると、2012年度の設備投資計画(大企業全産業)は、上期、下期とも大きく上方修正となり、設備投資が回復軌道を辿るというこれまでのシナリオを確かめる内容であった。今回の機械受注統計をみると、設備投資は一時的な振れを伴うことが予想されるが、徐々に回復に向かうと考えている。その背景にあるのは、復興需要と海外経済の復調を背景とした輸出の持ち直しである。
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