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生産指数の季節調整を検証する

統計的手法に関するテクニカルノート

2012年05月31日

金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

◆2012年4月17日、経済産業省が鉱工業指数の年間補正を行った。年間補正は年一回実施される定例作業であるが、今回の注目ポイントとして、季節調整を行う際に、東日本大震災後の生産活動の落ち込みを異常値として処理したことが指摘できる。筆者は、(1)これまでと同様に季節調整の「再現可能性」が満たされていること、(2)大震災の影響を異常値として処理したことで鉱工業指数の季節調整値がより実態に近いものになったこと、の2つを評価している。

◆生産指数の季節調整に関して、以下の6つの論点について検討した。(1)異常値による歪みとは何か、(2)大きな歪みが生じる原因、(3)経済統計の再現可能性、(4)異常値自動検出の透明性と客観性、(5)業種別にみた異常値の時期と種類、(6)年間補正に伴う遡及改定期間。

◆当面の検討課題として、(1)異常値処理を行うときに自動検出された結果に手を加えたこと、(2)業種別のデータに歪みが生じている可能性、(3)改定期間が短いために正確さを欠く数値が公表され続けるリスクを抱えていること、の3つが指摘できる。今後とも、経済統計を「作成する側」と「利用する側」がお互いに知恵を出し合って、季節調整の改善に努める必要がある。

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