2月機械受注~製造業の押し上げで、堅調な推移

緩やかながらも回復の兆候が見られる

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2012年04月11日

サマリー

【概況】民需は2ヶ月連続のプラスで、堅調な推移: 2月の機械受注統計は、外需が特殊要因から落ち込んだものの、民需(船舶・電力を除く)は、2ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサスを上回った。緩やかながらも回復の兆候が見られると言える。均してみると、1-3月期の見通しは、3月に▲10.8%(前月比)を上回れば達成できる為、当該期見通し達成の確度が高まった。

【受注の主要内訳】製造業が押し上げ、外需は反動減: 需要者別では、製造業が前月比+16.0%、非製造業(船舶・電力を除く)は同+2.3%となり、製造業が全体を押し上げた。製造業の中でも、「自動車・同付属品」は、エコカー補助金の復活や好調な米国向け自動車輸出を背景に、基調として堅調な推移を保っている。外需に関しては、前月から大きく落ち込んだ。前月の大型受注案件の反動減と考えられる。3ヶ月移動平均で見ると、前月比+1.1%となり3ヶ月連続のプラスである。

【今後の見通し】設備投資は、緩慢ながらも回復へ向かう見通し: 3月の日銀短観によると、2012年度の設備投資計画は、前年度比ほぼ横ばいとなり、力強さに欠けている。生産・営業用設備判断DIでは、企業の設備過剰感がやわらいでいることが示されているが、企業は依然として、設備投資に対して慎重であるようだ。しかし、追い風も見られる。欧州財政問題に落ち着きが見られ始め、米国経済が持ち直しつつある点に加え、国内ではエコカー補助金や日本銀行による金融緩和スタンスが、今後は設備投資の回復の支えとなると予想される。

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