サマリー
◆【概況】生産は3ヶ月振りのマイナス:2012年2月の生産は、前月からの反動減の影響が大きく出たことで一旦足踏みしたものの、製造工業生産予測調査の結果を踏まえると、全体としては回復軌道を辿っていることを示唆する内容であった。生産指数の季節調整済み前月比は▲1.2%と3ヶ月振りのマイナスとなり、市場コンセンサスを大きく下回った。ただし、今回の生産低下は、タイの大洪水に伴う挽回生産が一巡した後の、反動減の影響によるものと考えている。
◆【業種別の動向】タイの大洪水後の挽回生産が一巡:2012年2月の生産を業種別にみると、速報値が公表されている16業種中12業種の生産が減少した。全体を押し下げたのは、「輸送機械」、「情報通信機械」、「一般機械」。生産の拡大が目立つ業種は、「鉄鋼」、「電子部品・デバイス」である。
◆【今後の見通し】生産は緩やかに回復軌道を辿る:今後の生産は、(1)エコカー補助金の復活、(2)東日本大震災に伴う復興需要、(3)米国を中心とする海外経済の持ち直し、が支えとなり、引き続き回復軌道を進むと考えている。また、国内の政策に関連して、「輸送機械」と「太陽電池モジュール(電気機械)」の生産動向が注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年3月雇用統計
失業率は上昇するも、求人倍率が上昇するなど雇用環境は悪くない
2025年05月02日
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日