経済指標の要点(9/17~10/20 発表統計分)

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2011年10月27日

  • 齋藤 勉
  • 笠原 滝平

サマリー

◆企業関連の指標は、輸出が震災後初めて前年比で増加に転じ、生産も増加傾向を維持するなど、懸念された節電の影響が限定的であることを示す内容であった。また、日銀短観に見る業況判断も改善しており、先行きは持ち直し傾向が続くとみられる。ただし、震災からの回復が一服したことや、海外経済の減速などの影響を受けて、回復ペースは鈍化する見込みである。

◆家計関連の指標では、消費が前月の特殊要因による押し上げ効果が剥落して減少しているものの、雇用・所得・消費環境の基調は緩慢ながらも持ち直している。ただし、生産の回復ペースの鈍化などから、今後の家計関連指標も足踏み状態に陥る危険性がある。

◆今後発表される統計では11月14日公表予定の7-9月期GDP1次速報に注目したい。このところ堅調な推移を続けた消費や、生産の回復に伴う輸出の改善などから、実質GDPは大幅な増加が見込まれる。また、公共投資の動きも注目され、東日本大震災からの復興が着実に進捗しているかどうかを判断する材料になるだろう。

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