サマリー
◆インフレ率を抑制するには、金融を引き締め、経済成長率を低下させなければならない。ただしどの程度経済成長を犠牲にすればインフレ抑制に成功するかについて安定的な関係はなく、そのため、望ましいインフレ率を実現しようとすれば、同時に景気失速のリスクを高めることにもつながる。現在、新興国が行っている金融引き締めは、一部の国に内需減速という効果をもたらしつつ、いまだに多くの国でインフレ率をピークアウトさせるに至っていない。そのため、中・印・ブラジルを含む主要新興国では金融引き締めを続行すべき状況にある。一方、米国経済は労働市場の改善ペースが鈍っており不透明感を増している。景気指標の軟化には日本の震災と原油価格上昇の影響が含まれているとはいえ、米国経済が土地バブル崩壊後の日本のように本質的な脆弱性を抱え込み、克服できずにいるのではないかという懸念も生じている。日本はサプライチェーンが早期に復元し生産活動の回復が明確になってきた。ただし、東日本の復興政策はまだ明確にならず、期待された復興需要の本格化な発現は遅れている。

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