コアCPIの修正幅は▲0.7%pt前後となる見込み

平成22年基準改定に伴う修正幅を試算

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2011年07月11日

  • 笠原 滝平
  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆2011年8月、消費者物価指数は基準改定が行なわれる。それに伴い、7月8日にウェイトが事前公表されたため、基準改定によるコアCPIの修正幅を試算した。

◆今回の試算では、直近月(2011年5月)におけるコアCPIの修正幅は▲0.7%pt程度となった。月によって下方修正幅が増減することを考えれば、今回基準改定の影響は0.7%pt前後の下方修正になるとみられる。5年前の基準改定と異なり事前にウェイトや過去分の公表があること、下方修正幅は想定を大幅に上回るものではないこと、から前回のような「CPIショック」は起こらないであろう。

◆今回のウェイトにはエコポイントで押し上げられたテレビなどの家電や無償化により押し下げられた高校授業料など、政策の影響が出ている品目も見られた。

◆デフレ脱却(コアCPIの前年比変化率が特殊要因によらず安定的にプラス)は当初予想の2013年初め頃からさらに半年程度後ズレする可能性がある。

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