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新型コロナウイルスが収束し始めた欧州

欧州はロックダウン解除の出口戦略を検討

2020年04月09日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆当初は長期戦を覚悟していた欧州首脳は、ここに来て急速にロックダウンの解除を検討し始めている。各国の事情は異なるものの、欧州のロックダウン解除の出口戦略には大枠としていくつかのシナリオが準備されている。そのひとつが、感染カーブが平たん化されると同時に、ロックダウンの全面解除を狙うシナリオが考えられる。想定を上回る人数が既に感染し、集団免疫(国民の7割~8割が罹患し免疫ができる)を獲得した状態になる、あるいは隔離措置が成功しワクチンの開発等が急速に進むことで、冬までの間にウイルスの流行が再び起こらないと想定している。

◆最も現実的なシナリオとして、徐々に通常生活へ復帰させ、高リスク群の隔離措置を夏まで続けるという段階解除がある。在宅勤務が可能なものは当面そのまま継続させ、パブや映画館など不特定多数が訪れる場所は他者との距離を取る社会的距離(Social distancing)戦略を続けながら再開する。これによって、病床数の確保など医療サービスのキャパシティが戻るため、冬に向けて再び感染拡大が起きても、(医療崩壊を防ぐための)ロックダウン再導入を回避するというシナリオである

◆感染拡大によって引き起こされた今回の金融市場の混乱を受けて、主要中銀が政策金利を引下げたが、これが銀行の貸出金収益をさらに圧迫することとなる。さらに政府から現金給付などが数か月続いたとしても、ロックダウン措置が長引けば、多くの企業や家計が、債務を返済できず、破産や倒産となって債務不履行が続くという財政的な行き詰まりが起きることが懸念されている。

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