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欧州経済見通し 景気の底割れは回避

ユーロ圏、英国とも7-9月期はプラス成長を確保

2019年11月21日

経済調査部 主席研究員 山崎 加津子

サマリー

◆ユーロ圏の7-9月期のGDP成長率(速報値)は前期比+0.2%で、低成長ながら26四半期連続のプラス成長となった。輸出と投資が伸び悩む中、個人消費と政府消費が景気の下支え役になったと推測される。来年にかけてもユーロ圏は低成長が続くと予想する。中国の景気対策が動き出し、英国の「合意なしの離脱」が回避される方向にあるなど輸出環境に改善の兆しはあるが、それらが輸出の底打ちにつながるにはしばらく時間を要しよう。一方、雇用増と金融緩和は個人消費の追い風だが、就業者数の伸びは減速傾向にあり、また金融政策の追加緩和余地は限られている。ドイツが2020年予算で歳出を前年比1.6%増とすることを計画しているように、財政政策は幾分緩和的になると見込まれるが、ユーロ圏が低成長を脱するには力不足と予想される。

◆英国の7-9月期のGDP成長率は前期比+0.3%と4-6月期の同-0.2%から反発した。4-6月期のマイナス成長は、当初の離脱期限であった3月29日をにらんだ在庫増・輸出増の反動や、自動車生産の停止など一過性の要因によるところが大きく、それが7-9月期に剥落したのである。ただし、企業の投資はここ2年近く停滞を続けている。企業景況感を冷え込ませている「合意なしの離脱」の回避を確実なものとするには、12月12日の下院選挙でジョンソン首相率いる保守党が過半数の議席を獲得し、10月にEUと合意した「離脱協定」の発効にこぎつける必要がある。

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