サマリー
◆ユーロ圏は2017年の+2.4%という高成長のあと、2018年+1.9%、2019年+1.5%と減速傾向をたどると予想する。ちなみに+1.5%は潜在成長率並みの成長である。景気減速の主因は輸出の伸び悩みで、米中の貿易摩擦の激化、新興国の景気減速、そして英国のEU離脱交渉の難航が外需見通しを不透明にしている。一方、個人消費を中心に内需は景気拡大の牽引役を務めると見込まれる。消費者物価上昇率は2017年の+1.5%から2018年は+1.7%に加速したあと、2019年+1.5%を予想する。ECBが2019年秋以降にもくろんでいる政策金利の引き上げはマイナス金利の縮小にとどまり、主要オペ金利の引き上げは2020年に持ち越しになると予想される。
◆英国の経済成長率は2017年の+1.7%から2018年は+1.3%に減速すると見込まれる。輸出に加え、総固定資本形成も大幅に減速する見込みだが、投資伸び悩みの原因は英国のEU離脱がどのように遂行されるのか明確になっていないことにある。英国とEUの双方が望まない「合意なしの離脱」が回避されることをメインシナリオとして、2019年の英国経済は2018年と同じ+1.3%成長となると予想するが、Brexitの動向如何によっては下振れリスクが高まろう。消費者物価上昇率は2017年の+2.7%から2018年は+2.5%、2019年は+2.2%と緩やかに低下すると予想する。
◆2019年の最大の注目イベントは英国のEU離脱だが、これに加え、5月の欧州議会選挙、それに続くEUの「顔」である欧州委員会委員長とEU大統領の交代、そして10月末のドラギECB総裁の退任と続く。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 利上げ後、状況が一変
原油価格下落で追加利上げは様子見/スターマー首相辞任後の注目点
2026年06月23日
-
欧州経済見通し 家計主導の景況感悪化
製造業では駆け込み需要が下支え/英国では政治不安がリスクに
2026年05月27日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速
かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞
2026年05月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

