サマリー
◆ユーロ圏では2017年に景気が加速し、デフレ懸念が後退した。景気の牽引役として、従来からの個人消費に、輸出と投資も加わり、バランスのとれた景気拡大となっている。需要拡大が生産と投資に加えて雇用も拡大させ、これがまた需要拡大につながるという好循環が続くと見込まれ、2018年も景気拡大が続くと予想される。ユーロ圏の成長率は2016年の+1.8%から2017年は+2.4%に加速し、2018年も+2.2%と高成長を予想する。消費者物価上昇率は2016年の+0.2%から2017年は+1.5%へ加速する見込みで、ECBは2014年6月に導入した「非伝統的な金融緩和」のうちまず資産買取の減額に動き出した。ただ、賃金上昇率はさほど加速せず、一方でユーロ高が輸入物価の抑制要因となるため、2018年の消費者上昇率は+1.4%にとどまり、ECBの利上げ開始は2019年になってからと予想される。
◆英国は2017年に景気減速とインフレ加速を経験した。世界的な好景気に英国が逆行したのは、Brexit(英国のEU離脱)の見通しがいつまでも不明瞭で、企業が新規投資に慎重だったことに加え、ポンド安がインフレ要因となって家計の購買力を損なったためである。Brexit交渉は2018年初めにようやく第二段階に入り、Brexit後の「移行期間」と、英国とEUの新たな通商関係の協議が開始されることになった。ただし、離脱期限は2019年3月と時間が限られているにもかかわらず、英国内でBrexitの方針がいまだに定まっていないと見受けられ、2018年もBrexitの見通しが晴れない可能性は高い。英国の成長率は2016年の+1.8%から2017年は+1.5%、2018年は+1.3%と低成長が続くと予想される。一方、消費者物価上昇率は2016年の+0.6%から2017年は+2.7%へ加速したあと、2018年は+2.4%とやや減速しよう。
◆2018年に注目される政治イベントはイタリア総選挙、ギリシャの第3次支援の期限到来などだが、それ以上に2019年に予定されているBrexit、欧州議会選挙、ECBの利上げ開始、ドラギ総裁の退任などが、先取りして注目されるのではないかと予想する。
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