サマリー
◆適用開始が迫るMiFIDⅡで、規定改正の主眼の一つ、リサーチ費用の分離明確化(アンバンドリング)に関して、未だ投資銀行と運用機関で合意できていない部分が多い。特に運用機関が最終的に利用するリサーチファームを絞れていないという。
◆米規制下の投資銀行がMiFIDⅡを順守するには、「投資助言業者」としての登録が必要となる。10月26日にSECは、欧州運用機関が米国投資銀行からのリサーチアクセスを失う懸念に対応するため、救済措置通知を発表している。措置の大枠は、MiFIDⅡの適用開始時から30ヵ月間はブローカー・ディーラーが「投資助言業者」でなくとも、暫定的に資産運用会社からハードダラーにて、リサーチ費用受領を許可するものである。
◆SECの対応には、欧州の運用機関が圧倒的優位に立つことへの焦りが根本にあるだろう。来年1月以降、米系運用機関でMiFIDⅡの順守ができなかった場合、それを見越した形で米系運用機関から欧州系へのシフトが加速するといわれていた。欧米投資家が主要顧客の日系運用機関でも同じ状況が予想される。欧米がMiFIDⅡの順守に踏み切れば、取り残された日系運用機関の競争力低下が懸念される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 仏財政不安、長期化の覚悟
国民世論の二極化で、決められない政治が続くリスクが高まる
2026年10月22日
-
欧州経済見通し 足元堅調もリスクは下向き
長引くインフレリスクと強まる金利上昇圧力
2026年09月17日
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

