適用開始目前のMiFIDⅡに残された課題

順守に乗り遅れれば日本の運用機関の国際競争力はさらに低下?

RSS

2017年11月20日

サマリー

◆適用開始が迫るMiFIDⅡで、規定改正の主眼の一つ、リサーチ費用の分離明確化(アンバンドリング)に関して、未だ投資銀行と運用機関で合意できていない部分が多い。特に運用機関が最終的に利用するリサーチファームを絞れていないという。


◆米規制下の投資銀行がMiFIDⅡを順守するには、「投資助言業者」としての登録が必要となる。10月26日にSECは、欧州運用機関が米国投資銀行からのリサーチアクセスを失う懸念に対応するため、救済措置通知を発表している。措置の大枠は、MiFIDⅡの適用開始時から30ヵ月間はブローカー・ディーラーが「投資助言業者」でなくとも、暫定的に資産運用会社からハードダラーにて、リサーチ費用受領を許可するものである。


◆SECの対応には、欧州の運用機関が圧倒的優位に立つことへの焦りが根本にあるだろう。来年1月以降、米系運用機関でMiFIDⅡの順守ができなかった場合、それを見越した形で米系運用機関から欧州系へのシフトが加速するといわれていた。欧米投資家が主要顧客の日系運用機関でも同じ状況が予想される。欧米がMiFIDⅡの順守に踏み切れば、取り残された日系運用機関の競争力低下が懸念される。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。