サマリー
◆欧州では向こう9ヵ月間に、政権の命運を握る国民投票や総選挙が目白押しであり、政治リスクが高い不透明な時期が続くとみられる。特に注目されているのは11月中旬から12月初旬を目途に実施される憲法改正を問う国民投票を控えたイタリアであろう。投票実施が公表された2016年1月から、レンツィ首相率いる民主党の支持率はじりじりと下がり、それとともに憲法改正支持も低下している。
◆イタリア政府は(モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの救済基金を念頭にした)不良債権買い取り基金第2弾のアトランテ2の資金調達を急いでおり、国内外の投資家から資金拠出を広く募っている。ただ意外にも調達は順調に進み、8月中旬の段階では基金稼働に必要とされる約17億ユーロを確保し、9月末の第一回目のファンドレイズの締め切りまでに25億〜30億ユーロを調達する見込みである。
◆イタリア銀行の問題の本質は不良債権比率の高さだけではない。マイナス金利が収益を圧迫するなか、長年の課題である業界再編が必要性が改めて高まっている。レンツィ首相が実施した銀行改革は、着手の時期が遅すぎ、効果も少ないとの批判にさらされていた。イタリア全国で銀行支店は3万を超えており、支店の半減と15万人に上る従業員の削減が急務と言われている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 家計主導の景況感悪化
製造業では駆け込み需要が下支え/英国では政治不安がリスクに
2026年05月27日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速
かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞
2026年05月01日
-
欧州経済見通し 進む資源高対応
財政支援と企業による価格転嫁
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

