サマリー
◆英国では2016年6月23日に実施されるEU離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票に向けて、4月15日の公式キャンペーン解禁以降、政府(保守党)内でも残留派/離脱派に分かれ両陣営ともに必死の選挙戦を繰り広げている。政府の残留派は900万ポンド(約14.4億円)をかけて、国内の全世帯あてに「英国が残留すべき理由」を示したリーフレットを配布、その効果もあったのか世論調査では残留派がわずかではあるがリードを保っている。
◆BREXITした場合に、新たな関税障壁が生じ貿易量が減少することがリスクシナリオとなっている。また、EUのみならず、EUとして締結した50を超す国や地域と2者間貿易協定を締結し直す必要も生じてくる。経済規模が重要視される貿易協定の特性上、新たに協定締結における交渉が難航することは想像に難くない。
◆邦銀等EU域外の金融機関は、ロンドンの金融街シティに拠点を構えるだけでEUパスポートを利用して、EU市場へのアクセスを享受していた。BREXITが起こった場合、EUパスポートが失われるためEU加盟国内での金融サービス業務は再考が求められる。代替策は存在するが欧州委員会の承認が必要となり、EU離脱後の英国に対する政治的な妨害により、その承認プロセスに相当の時間が掛かる可能性は懸念材料となる。
◆英国政府は選挙運動規制により投票日の28日前(今回の場合は2016年5月27日)から、国民投票に関する資料の発表を禁じている(ベール期間)。IMFはBREXITに対する経済リスクの評価レポートにおいて、投資抑制という形で既に英国経済に悪い影響が出ていると警告している。同レポートの完全版公開は6月15日まで延期されたが、ベール期間中の発表に離脱派はIMFの政治介入として強く非難している。
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