サマリー
◆2015年1月に反緊縮政策を掲げて発足したチプラス政権は債権団との対立を深め、6月末に第二次金融支援を打ち切られた。しかし、ギリシャがその後ユーロ圏残留のため、債権団から求められていた緊縮路線へと方針を一転したことで、8月のユーロ圏財務相会合で第三次金融支援プログラムは合意に至った。支援総額は3年間で最大860億ユーロが見込まれ、主に債務返済や銀行の資本増強、財政基盤強化等に充てられる。2015年末までに260億ユーロの支援が実施された。
◆再び支援獲得を実現したギリシャだが、第三次金融支援合意に至るまでの内政の混乱は国民や債権国、国際社会からの信頼を損なっただけでなく、ギリシャの景気回復を遅らせることにもつながった。足元のギリシャ経済も冴えない状況にある。
◆ギリシャ経済は未だ脆弱で、景気回復への道筋も不明瞭な状況下、債権団からの支援は引き続き重要な役割を担うことになるだろう。今後焦点となるのは、次の2点である。一つは、第三次金融支援の継続の可否を判断するために現在進行中であるEUの審査を通過できるかどうかということである。またもう一つは、支援が継続された場合にIMFがその支援に加わるかどうかである。債務削減の実現可能性や年金改革の実効性等がそれらの鍵となるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し トランプリスク再来
追加関税で対米貿易摩擦懸念が再燃/欧州経済中期見通し
2026年01月21日
-
2026年の欧州経済見通し
不確実性低下、財政拡張で景気回復ペースは再加速へ
2025年12月23日
-
欧州経済見通し 成長再加速の兆し
景気の下振れリスク緩和でECBの追加利下げ観測は後退
2025年11月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

