マイナス金利の副作用

欧州ではフィンテックが加速

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2016年02月01日

サマリー

◆2016年1月29日、日銀は、金融政策決定会合でマイナス金利の導入を決定した。既に欧州では、ユーロ圏、スイス、デンマーク、スウェーデンがマイナス金利導入に踏み切っており、英国でも一時導入を検討するなど、各中銀の金融政策ツールとして認識されつつある。


◆欧州では、顧客の預金口座からマイナス金利分のコストを徴収する(預金を預けると利子が取られる)ケースが徐々に増加している。かつては、法人預金や富裕層の大口預金に限られていたが、経営体力が弱い小規模行は小口リテール顧客に対しても利子の徴収を開始するケースが報告されている。


◆良い意味でのマイナス金利の副作用として、伝統的な融資業務や決済システムの代替策となるフィンテックの開発速度向上が挙げられよう。真にグローバルでデジタルな銀行決済システムへの移行はこれからであるものの、マイナス金利を導入した欧州各国は、フィンテックの活用によりコスト削減に舵を切っていることは興味深い。

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