サマリー
◆ユーロ圏の2015年4-6月期のGDP成長率(速報値)は前期比+0.3%となり、1-3月期の同+0.4%からは若干減速したが、9四半期連続のプラス成長となった。需要項目別の内訳はまだ発表されていないが、ユーロ安を追い風に輸出が持ち直したと推測される。また、個人消費は1-3月期からは減速しつつも、引き続きプラス成長に寄与したと見込まれる。
◆ユーロ圏の輸出は米・英という先進国向けに加えて、中東欧、インドなど一部の新興国向けも堅調だが、他方で中国向けは伸び悩み、ロシア向けは大幅減と明暗がわかれた。中国景気の大幅減速は、中国政府の景気下支え策により回避されようが、ユーロ圏の年後半の外需拡大は力強さに欠けたものになる可能性が高い。一方、ギリシャ懸念がいったん後退し、原油価格が再び低下していることを背景に、ユーロ圏の内需はやや持ち直すと見込まれる。緩やかな景気回復は、消費者物価上昇率の加速にはつながらず、ECB(欧州中央銀行)は現在の資産買取プログラムを計画通り遂行することに注力しよう。
◆英国の2015年4-6月期のGDP成長率(速報値)は前期比+0.7%となり、1-3月期の同+0.4%から加速した。需要項目別の内訳はまだ発表されていないが、純輸出寄与度がマイナスからプラスに転じ、また、個人消費が引き続き牽引役になったと推測される。今後も賃金上昇率加速を追い風とした消費拡大が継続すると見込まれる。一方、7月の消費者物価上昇率は前年比+0.1%とインフレ・ターゲットである同+2%を大きく下回る推移が続いている。BOE(英中銀)は英国の生産余力は縮小傾向にあり、賃金上昇が物価上昇に結び付きやすくなっていると判断しているが、他方で原油価格が一段と低下し、またポンド高効果もあって、消費者物価上昇率はなかなか上昇してこないと予想している。BOEの利上げ開始は2016年に入ってからとなろう。
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