未知の世界に挑むECB
~ついに国債買取を開始~『大和総研調査季報』 2015年春季号(Vol.18)掲載
2015年06月01日
サマリー
1999年に設立されたECB(欧州中央銀行)は現在、欧州19カ国の金融政策を一機関で担当しているユニークな中央銀行である。2007年以降、ECBは金融危機、ユーロ圏債務危機、そしてデフレ懸念と次々に新しい問題に直面し、事態打開のために様々な「非伝統的な金融政策」を繰り出してきた。2015年1月にはついに国債を主な買取対象とする資産買取プログラム(PSPP)の導入に踏み切った。国債買取による量的緩和に関してはユーロ圏で賛否両論があるが、意図していた金利低下、株価上昇、そしてユーロ安などの効果はすでに出ており、幸先の良いスタートを切っている。
本稿では、ECBの新たな金融緩和政策で期待される効果、懸念される副作用についてまとめた。
大和総研 リサーチ本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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