サマリー
1999年に設立されたECB(欧州中央銀行)は現在、欧州19カ国の金融政策を一機関で担当しているユニークな中央銀行である。2007年以降、ECBは金融危機、ユーロ圏債務危機、そしてデフレ懸念と次々に新しい問題に直面し、事態打開のために様々な「非伝統的な金融政策」を繰り出してきた。2015年1月にはついに国債を主な買取対象とする資産買取プログラム(PSPP)の導入に踏み切った。国債買取による量的緩和に関してはユーロ圏で賛否両論があるが、意図していた金利低下、株価上昇、そしてユーロ安などの効果はすでに出ており、幸先の良いスタートを切っている。
本稿では、ECBの新たな金融緩和政策で期待される効果、懸念される副作用についてまとめた。
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