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ギリシャ、デフォルトへのタイムリミット

6月上旬が事実上の期限に。ギリシャ情勢の今後の見通し

2015年05月20日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆ギリシャの債務再編問題が大詰めを迎えている。バルファキス財務相は、年金給付金のカットや退職年齢の引き上げなど、票田となる高齢有権者に影響を与える政策に関しては未だ反対を表明。現実的には5月末~6月上旬に、ユーロ圏財務相会合を緊急開催して72億ユーロの資金手当てが承認されなければ、(ドイツの議会承認等に時間を要するため)時間切れとなる。


◆ギリシャ民間銀行が破綻した際に、HFSF(ギリシャ金融安定基金)の資金が活用される。ただし一旦、HFSFで救済されたとしても、その後、受け皿となるギリシャ政府にも余力は無く、銀行が再度資本を回復する手段は乏しい。政治的な決断がなければ、事実上ユーロを使用する銀行業務が成り立たず、そのまま新通貨発行に追い込まれる可能性もある。


◆2013年以降、欧州債務危機の終焉を謳う有識者が多かったことも、今回の危機を拡大させた要因といえる。僅か1~2年で不良債権処理が終了するという楽観論が、ギリシャ危機の現状認識を甘くし、投機的な資金の流入を招いた。そもそも前回のユーロ危機が生じてから、現時点までユーロの制度上の問題が何ら解決されていないことが危機を再発させたといっても過言ではない。ギリシャのみに非があると決め付ける前に、ユーロの構造上の問題をどのように解決するか考える必要があるといえよう。

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