危機収束局面に移行したユーロ圏

~金融部門健全化と景気回復持続が課題~『大和総研調査季報』 2014年春季号(Vol.14)掲載

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2014年06月02日

サマリー

ギリシャの財政悪化を発端とするユーロ圏危機は拡散局面から収束局面に移行し、マーケットの最大の関心事ではなくなった。とはいえ、危機脱却のための取り組みは、まだ完了したわけではない。残されている課題は、金融システムの健全性回復と金融危機に備えた体制強化、および持続的な景気回復の2つとなろう。金融システム健全化を目的に、2014年10月には銀行資産査定とストレステストの結果発表があり、11月には単一銀行監督制度(SSM)がスタートする予定である。これらの取り組みが金融システムへの信頼を回復させ、また銀行貸出増加という経路を通じて景気回復に貢献できるかが14年の大きな注目点となる。


09年以降のユーロ圏危機を脱却したと判断されるためには、加盟各国の財政赤字がGDP比3%以内という基準を達成するだけでなく、銀行貸出の回復、失業率の低下、非伝統的な金融緩和政策の終了などが必要となろう。


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