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東京金融シティ構想が参考にするロードメイヤーとは

2014年05月30日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆英国には2つのロンドン市が存在する。通常「ロンドン市」と呼ばれているのはグレーターロンドン(GLA: Greater London Authority)を指し、その中心部にもう一つの「ロンドン市」であるシティ・オブ・ロンドン(City of London)が存在する。シティ・オブ・ロンドンは、英国ロンドン市の中心部に位置し、単にシティ(The City)、または、約1マイル(1.6km)四方に囲まれたエリアのため、スクエア・マイル(Square Mile)と称される。


◆シティの市長はロードメイヤー(Lord Mayor:The Lord Mayor of the City of London)と呼ばれている。これに対してロンドン市長(Mayor of London)は混同を避けるためロンドンメイヤー(London Mayor)と呼ばれることが多い。毎年選出されるロードメイヤーの主要業務は、シティを代表する金融サービス等の特命大使として国内外でのプレゼンテーションを行うことや、政界・財界トップの来訪に応対することにある。そのため、ロードメイヤーには国際経験豊かな人材が選ばれている。


◆ロードメイヤーは給与、経費ともゼロであり、あくまでもシティの発展に無償で尽くすことが求められる。現職のフィオナ・ウルフ第686代目市長(女性:2013年~2014年)は、シティの法律事務所で働いていた弁護士であり、過去20年にわたり、エネルギーインフラの法整備等の分野において、世界各国で様々なプロジェクトに尽力した経歴を持つ人材である。


◆名誉職的な側面が強まるロードメイヤーであるが、金融機関出身の人材や金融関連に精通した弁護士等が選出されるケースも多く、その発言自体も非常に注目されている。東京金融シティ構想の中で共同提言に掲げている日本版メイヤーに関しても、現在のロードメイヤーの活動内容をより理解したうえで、金融センターとしての東京の地位向上を期待できる人材の登用が求められるといえよう。

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