ECBが国債購入プログラムの刷新を表明

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2012年08月03日

サマリー

◆大きな注目を浴びた8月2日の金融政策委員会で、欧州中央銀行(ECB)はスペイン等の国債買取の再開を示唆したが、その方法、時期、規模はいずれも明示されなかった。

◆ECBが提示したのは従来の証券市場プログラム(SMP)の刷新計画である。新SMPは、当該国が欧州金融安定化機構(EFSF)/欧州安定メカニズム(ESM)に財政支援を要請し、EFSF/ESMが国債購入に動くことをECBの国債買取の前提条件とする。これにより支援を受ける国が財政再建や競争力向上への取り組みを強めることをねらっている。ECBとEFSF/ESMが共同すれば、より強力な財政支援体制を形成することも期待されるが、その具体化は9月以降と予想され、スピード感に欠けることが懸念される。

◆なお、ESMに銀行ライセンスを付与することに関しては、現状では要件が整っていないとしたものの、今後の可能性に含みを持たせた。他方で翌日物預金金利をマイナス金利とすることに関しては否定的な見解が示された。

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