サマリー
◆ギリシャに対する第2弾支援がようやく承認され、4年間で1,300億ユーロの財政支援が実行されることになった。これでギリシャが突然債務不履行に陥るリスクは後退したが、ギリシャが約束した財政再建計画は非常に厳しい内容である。一連の構造改革や国有企業の民営化を含む財政再建策を実行できるか、最初の試金石は4月下旬か5月上旬と目されているギリシャ総選挙となる。また、4月22日にはフランス大統領選挙が行われる。決着は5月6日の決選投票に持ち越され、サルコジ候補とオランド候補の一騎打ちとなることが予想される。オランド大統領となった場合も、「EU統合推進、財政再建推進」の基本路線は変わらないとみるが、就任当初の数ヶ月は路線が定まらず、混乱するリスクは見ておいたほうが良いかもしれない。
◆ユーロ圏経済は10-12月期に10四半期ぶりに前期比マイナス成長となったが、その原因の一つはユーロ圏債務懸念の深刻化を背景とする銀行の資金繰り難にあったと考えられる。ECBによる2度の3年オペにより、金融システムと金融市場の緊張感は後退しつつある。また、ドイツ企業の景況感改善は11月以来4ヶ月連続となった。ユーロ圏以外の需要が徐々に回復していると見込まれる。ユーロ圏経済全体としては財政緊縮策による内需減退が見込まれるが、ドイツなどの輸出持ち直しで、2012年の経済成長率は小幅のマイナス成長にとどまろう。
◆英国経済は10-12月期に投資が大きく落ち込んで前期比マイナス成長となった。ただし、個人消費は5四半期ぶりに前期比プラス成長となり、また1月の小売売上高も堅調に伸びている。インフレ率の低下傾向が鮮明になってきたことと、低金利が継続していることがプラス効果を及ぼしていると期待される一方、失業率は上昇傾向にあり、賃金上昇率も一段と伸びが鈍化し、所得環境はむしろ悪化している。財政再建が優先されるなかで、中央銀行は量的緩和政策を継続しているものの、英国の景気回復は遅々とした速度でしか進まないと予想される。
◆ユーロ圏経済は10-12月期に10四半期ぶりに前期比マイナス成長となったが、その原因の一つはユーロ圏債務懸念の深刻化を背景とする銀行の資金繰り難にあったと考えられる。ECBによる2度の3年オペにより、金融システムと金融市場の緊張感は後退しつつある。また、ドイツ企業の景況感改善は11月以来4ヶ月連続となった。ユーロ圏以外の需要が徐々に回復していると見込まれる。ユーロ圏経済全体としては財政緊縮策による内需減退が見込まれるが、ドイツなどの輸出持ち直しで、2012年の経済成長率は小幅のマイナス成長にとどまろう。
◆英国経済は10-12月期に投資が大きく落ち込んで前期比マイナス成長となった。ただし、個人消費は5四半期ぶりに前期比プラス成長となり、また1月の小売売上高も堅調に伸びている。インフレ率の低下傾向が鮮明になってきたことと、低金利が継続していることがプラス効果を及ぼしていると期待される一方、失業率は上昇傾向にあり、賃金上昇率も一段と伸びが鈍化し、所得環境はむしろ悪化している。財政再建が優先されるなかで、中央銀行は量的緩和政策を継続しているものの、英国の景気回復は遅々とした速度でしか進まないと予想される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 中東情勢が下振れリスクに
エネルギー価格上昇の影響は既に顕在化、金融政策はタカ派シフト
2026年03月24日
-
欧州経済見通し 財政拡張の効果が拡大
ドイツ製造業受注が急増し、製造業の景況感も改善
2026年02月24日
-
10-12月期ユーロ圏GDP 内需主導で成長加速
主要国が揃ってプラス成長、市場予想から上振れ
2026年02月02日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

