ミャンマーの主な財閥概要

経済に多大な影響力あり

RSS

2020年07月03日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

◆ミャンマー経済は、財閥を抜きにして語ることはできない。その多くが1990年代に創設され歴史はそれほど古くないが、様々な分野でビジネス展開しており、ミャンマー経済に多大な影響力を持っている。

◆財閥は、国防省傘下で創設されたものと民間部門で創設されたものの大きく2種類に分けられる。国防省傘下で創設されたものは、Union of Myanmar Economic Holdings(UMEHL)とMyanmar Economic Corporation(MEC)である。民間部門で創設されたものは、Htoo Group、Kanbawza Group、Shwe Taung Group、Max Myanmar Group、Asia World Group、IGE Group、SPA Group、Capital Diamond Star Group等が主なものである。

◆グループ内に銀行を抱えている財閥も多い。国防省傘下の2財閥が、各々、系列銀行を持っている他、民間財閥でも、Htoo Group、Kanbawza Group、Max Myanmar Group、Eden Group、SPA Group等は、系列銀行を持っている。ミャンマーでは、財務諸表を作成していない企業や情報公開に消極的な企業が多く、銀行借入れが難しいケースがあるため、グループ内に銀行を抱えることは、自然の流れともいえる。

◆財閥の経済への貢献は評価できるものの、ミャンマー経済の更なる活性化には、財閥以外の新たな企業がどのくらい参入し、より競争的な市場構造が生まれるかが、大きなポイントになる。財閥と新興企業が一緒になって、ミャンマー経済を盛り上げていく日が来ることを期待したい。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。