サマリー
◆新興国通貨の下落が目立ち始めた。米中摩擦と米国金融緩和の力比べが、前者優位に傾く中、新興国の緩和モードの継続は「賭け」の色彩を強めつつある。中期的にみても「利下げ余地」という限界の存在などから、金融緩和の世界経済癒し効果は漸減の方向にあると考えられる。となれば、世界の景況感悪化を止めるには、米国トランプ政権が保護主義の矛を収める必要がある。しかし、その実現には米国経済が明確に悪化するなどのプロセスを経る必要があるかもしれない。
◆個別国で注目されるのは、引き続き中国である。同国でも通貨安が進行しているが、これは景気対策に伴う債務増大をより深刻化させる要因である。といって、無駄玉に終わりかねないドル売り介入は危うい。同国のジレンマは深まりつつあるようにみえる。
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