サマリー
◆ミャンマーは、2011年の軍事政権からの民政移管後、概ね順調な経済拡大を続けている。特に、2013年、2014年は、石油ガス田開発、通信インフラ整備、国際空港ターミナル新設等の大型案件による大規模な設備投資に支えられ、年8%を超える高成長を達成した。
◆その後、これらの大型案件は一段落したが、 オフィス、レジデンス、ショッピングセンター、ホテルなどでの建設需要、輸出向け衣料品、鞄などを製造する軽工業等に支えられ、年6~7%程度の成長となっている。今後についても、ヤンゴン駅国鉄駅舎跡地開発、軍事博物館跡地開発、ティラワ経済特別区開発等を中心に、経済は順調な拡大が継続すると見込まれる。
◆概ね順調な成長の裏側で、自国通貨であるチャットは減価方向を辿っている。その背景には、(1)成長に必要な原材料や資本財を国内で調達することが難しく、ほとんどを輸入に頼っていることによる貿易赤字拡大、(2)海外企業を中心に生産性に見合わない賃金引き上げを行った結果としてのコストプッシュインフレ、(3)成長スピードに相応な国内の供給力が不足していることによるディマンドプルインフレ等がある。
◆為替価値の安定には、競争力向上に裏付けされたマクロインバランスの是正が求められるが、現状のミャンマー経済を考えた場合、時間を要する課題となるため、通貨チャットの減価圧力は継続することになる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ASEAN5、消費格差の原因は?
外需と雇用・所得、金融環境、財政支援と家計バランスシート
2026年08月31日
-
インド:モディ政権の産業政策は、「質の高い雇用」を生みだせるのか?
量的改善から安定性・生産性・所得を伴う雇用への転換が問われる
2026年07月14日
-
AI・データセンターブームの恩恵を受けているのはどの国か?
インドネシアを除くASEAN5はブームの恩恵。インドはまだブームに乗り切れず
2026年06月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

