ミャンマーの携帯電話事情

2016年の携帯電話普及率は89%に上昇

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2017年09月12日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

◆ミャンマーの携帯電話普及率は上昇が続いている。2011年の民主化以前、多くのミャンマー国民にとって、携帯電話は「極めて珍しいモノ」であったが、現在では、「なくてはならないモノ」となった。


◆国際電気通信連合(International Telecommunication Union、略してITU)によれば、2016年、ミャンマーの携帯電話申請者数は、約4,873万人となり、普及率は89%となった。前政権が掲げた2016年末までに携帯電話普及率を80%にするとの目標は達成されたことになる。2013年の普及率が、わずか13%であったことからすると、短期間での驚くべき伸びである。


◆携帯電話市場が拡大を続けている背景には、(1)2013年に通信免許を得た外資2社による通信インフラ投資及び携帯電話普及宣伝活動、(2)KDDIによるミャンマー郵便公社への技術支援、(3)韓国のSAMUSUNG電子や中国のHUAWEIなどの携帯電話機器販売会社による宣伝活動、(4)携帯電話機器を購入可能とするようなマイクロファイナンスの普及などがある。


◆急拡大するミャンマーの携帯電話市場であるが、他のアジアの国々と比較した場合には、普及率は下から2番目であり、依然として低いとの印象は否めない。しかし、中国やフィリピンとの普及率とは、それほど差がないため、現在の普及スピードから考えると、今後は、これらの国を抜いていく可能性は高い。


◆ミャンマーの携帯電話市場は、通信各社が、より安く、そしてより良いサービス提供を目指して競い合う形となっており、更なる発展に向けては望ましい環境にある。4Gサービスも始まり、利便性が向上している。携帯電話の普及率は、今後も上昇が続いていくであろう。

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