サマリー
◆ミャンマーでは、直接金融・間接金融ともに、その機能は、極めて限られたものとなっている。金融システム自体の脆弱性に起因するところも大きいが、経済主体である企業が十分な情報開示を行っていないことも大きく影響している。
◆企業の情報開示を促進すべく、企業の社会的責任の観点から、ミャンマー企業の状況を調査している団体がある。団体名は、Myanmar Centre for Responsible Business(略してMCRB)である。この団体は、英国に本部を置くInstitute of Human Rights and BusinessとDanish Institute for Human Rightsの協力により、2013年にミャンマーで設立された。
◆調査内容は、法令を遵守しているか、汚職や賄賂の授受に関わっていないか、税金を払っているか、人権を尊重しているか、環境を重視しているか、情報開示は十分かなどの点をチェックして、それを大きく、(1)腐敗対策、(2)組織の透明性、(3)人権・健康・安全・環境の3つの項目に分けて、点数化している。2016年の調査報告によれば、得点が上位にある企業は、FIRST MYANMAR INVESTMENT、SERGE PUN & ASSOCIATES、MAX MYANMAR GROUPなどである。
◆調査結果から見えてくるのは、ミャンマーで、比較的安心して付き合えそうな企業は、まだ少ないということである。特に、腐敗対策の項目の得点が低い企業が多いため、この点の改善が望まれる。調査報告では、腐敗撲滅に向けたビジネスの基本に関するマニュアル書を熟読して実践するように、企業に提案している。
◆経済主体である企業が責任ある行動をとり、かつ、適切な情報提供を行えば、信頼度が高まり、銀行や証券取引所を活用できる機会は確実に増えてくる。企業行動の変化を確認する意味で、MCRBの調査結果には、今後も注目していきたい。
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