ASEAN、中国のFTAと自動車・自動車部品貿易①

ほぼ完了したASEAN域内のFTAによる自動車・自動車部品の貿易自由化

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2017年02月01日

  • 金子 実

サマリー

◆自動車産業では、新興国が高い関税率を設定した上で国内産業を育成するケースが多く見られ、ASEAN、中国でも高いMFN税率が設定されている。


◆ASEANでは、各加盟国の経済規模が小さいにもかかわらず加盟国ごとに高い関税率が設定されていたことが、規模や集積の利益の大きい産業を育成する上での障害となっていた。しかし、1990年代から、ASEAN自由貿易地域(AFTA)による域内関税の引き下げが始められた。


◆AFTAによる域内関税の引き下げは、1997年のアジア通貨危機以降加速し、2010年までに、ASEAN先行加盟6か国間の関税率は、自動車及び自動車部品の関税率を含めて0%に引き下げられた。


◆関税引き下げに伴い、ASEAN加盟国間の自動車及び自動車部品の貿易が、双方向で拡大した。その過程で、自動車関連産業の集積がいち早く進んだタイに自動車生産がさらに集中する傾向も、ある程度見られた。

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