新興国の時代は終わったか

ユーロ圏危機下のけん引力を問う

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2012年07月25日

  • 児玉 卓

サマリー

◆財政金融政策の豊富な発動余地から世界経済再拡大のけん引役となることが期待される新興国だが、ユーロ圏危機という外部環境の悪化により、政策発動余地が宝の持ち腐れとなってしまっている。

◆2000年以降の新興国の成長パターンの特殊性は、投資をけん引役としながらも膨大な外貨の蓄積を同時に達成したことにある。これがリーマン・ショック後の景気の底を浅くし、アップダウンが激しい新興国経済というレッテルを陳腐化させた。

◆だが、金融市場での新興国のボラティリティの高さは相変わらずである。このような実体経済と市場の評価のギャップが続く限り、新興国がグローバル経済のけん引役となることは期待しにくい。

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