サマリー
◆タイ、インドネシア、マレーシア等のアセアン主要国の工業化は1980年代後半に活発となったが、ミャンマーの工業化はかなり遅れている。ミャンマーの製造業割合が高まり始めたのは2000年代に入ってからである。ミャンマーの貿易構造は比較的シンプルで、貿易相手国は、タイ、中国、インド、シンガポールに集中、主な輸出品は、天然ガス、縫製品等、主な輸入品は、ディーゼル油、一般機械等である。ミャンマーへの海外直接投資は、国と分野において集中が見られる。投資国としては、中国とタイ、投資分野としては、水力発電や石油・天然ガス開発である。
◆2012年4月のテインセイン大統領来日の際、日本とミャンマー両国は、(1)国民の生活向上のための支援、(2)経済・社会を支える人材の能力向上や制度の整備のための支援、(3)持続的経済成長のために必要なインフラや制度の整備に関する支援を大きな柱とするミャンマー支援策について合意した。
◆今後のミャンマーの経済発展においては、日本の戦後の成長経験等も参考に、海外との協力の下、後発国の利益を十分に活かしながら、進んでいくことが効率的であろう。その際、海外からの資金が、大量に、かつ急激に流入して、国内経済に悪影響を与えないように、海外資金流入に対するモニタリング、対外債務のバランスチェック等に十分注意を払う必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
ソフトウェア投資の拡大は今後も続くのか
求められるIT人材の育成、中小企業への支援、行政のデジタル化
2024年04月25日
-
中国経済見通し:名目<実質、実感なき景気堅調
不動産不況に一段の長期化の懸念
2024年04月25日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
大手生保は中長期の事業環境の変化に対応できるか
~本格化するビジネスモデル変革~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
複眼的思考へのヒント
2024年04月24日
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日