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ASEAN NOW (Vol.12)

軽工業品中心輸出から抜け出せないベトナム

2012年05月10日

リサーチ業務部 主席研究員 兼 YSXアドバイザー 佐藤 清一郎

サマリー

◆ベトナム経済の大きな問題の一つは貿易収支赤字が続いていることである。対外面での収支悪化は、消費者物価上昇、株価下落、為替減価といった形で経済に悪い影響を与えている。

◆貿易赤字体質の背景には、安定して外貨を稼げるような輸出品が存在しないことがある。ベトナムの貿易構造を見ると輸出品のほとんどは衣料品等の軽工業品である。軽工業品は人件費の高低に依存する割合が高い。現在、ベトナムより人件費の安いミャンマーやバングラデシュ等でも軽工業品生産が盛んになっており、この点からすると、軽工業品はベトナムが必ずしも比較優位を保てる商品とも言えない。

◆貿易黒字体質へと転換していくためには、主力の輸出品を軽工業品からより付加価値の高い電子部品や輸送機器などに転換させていくことが求められる。そのためには裾野産業を育成してより強固な産業基盤を築いていく必要がある。

◆裾野産業育成は、自国のみでは限界があるため、海外からの直接投資を積極的に活用してノウハウを蓄積していくことがより効率的な方法となることは言うまでもない。ベトナムとしては、引き続き、海外からの投資が行われやすい環境を整備していくことが求められる。

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