ASEAN NOW (Vol.11)

豊かさ追求型に変化するインドネシア消費構造

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2012年04月10日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

◆インドネシア経済は、個人消費、設備投資、輸出を中心に順調に拡大している。特に、個人消費は、消費ブームの状況にあり成長に安定した寄与を続けている。人々の消費の質は豊かになるにつれて変化してきており、家計の消費支出構造を見ると、食料品への支出割合が低下する一方で嗜好品や耐久消費財への支出割合が増加してきている。

◆インドネシアの耐久消費財への消費が活発な背景には、所得増加や消費者ローン利用環境改善等がある。現在のインドネシアの耐久消費財の普及率は極めて低く、だいたい日本の1960年代前後の状況と類似している。その当時の日本の経験からすると、インドネシアは、今後少なくとも10年間程度は耐久消費財への需要が底堅く推移していくものと予想される。

◆経済成長に伴って人々は豊かになり、それにより所得分布構造にも変化が見られる。所得分布の下位40%の割合が低下して、一方で、上位20%の割合が上昇してきている。また、ジニ係数は時間の経過とともにやや上昇してきており格差拡大となっている。

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