ASEAN NOW (Vol.6)

アセアン域内緊密化計画

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2011年11月08日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

◆アセアンは域内関係を深化させるために様々なことを行なっている。その内、大きな柱となっていると思われるのが、アセアンコネクティビティという考えである。これは3つのアプローチからなる。第1が、物理的観点でのアプローチ、第2が、制度的観点でのアプローチ、そして、第3が、人的観点でのアプローチである。

◆物理的観点というのは、地理的な距離を短くするというもので、たとえば、高速道路、高速鉄道、港湾、空港等の整備が含まれる。制度的観点というのは、各国の制度面での違いを極力少なくして、域内関係を近くしようというもので、たとえば、貿易手続きの共通化などが含まれる。人的観点というのは、加盟国間の人々の交流を促進しようというもので、各国の文化交流などが含まれる。

◆これら3つのアプローチは、相互に密接に関わっており、各アプローチでの課題を解決していく過程で、それぞれのアプローチの効果は、相乗的に現れてくると思われる。アセアンコネクティビティのマスタープランに盛り込まれた課題が解決されていけば、アセアン域内は、相当に緊密化していくことが期待される。

◆結果として、アセアン地域は、経済体質が強化され、アジア地域での存在感を増していくことになるであろう。

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