サマリー
◆10月27日発表の「包括策」はユーロ圏危機の封じ込めに失敗した。しかしこれをそのまま、グローバル危機の深刻化と捉える必要はないだろう。8月から9月にかけては世界的な株価の下落、ドルの上昇などがユーロ圏周辺国のリスクプレミアム拡大と同時的に起こった。しかしこれは例外的な事象であり、ユーロ圏危機のグローバルな波及というよりは、世界的な景況感の悪化を主たる背景としていた可能性が高い。ユーロ圏危機はまだまだ続こうが、米国における景気二番底懸念の後退などを手がかりに、新興国通貨安、新興国からの資本逃避圧力などは軽減すると期待され、それは新興国の利下げのハードルを低めることを通じて、景況感の下支えにつながり得る。もとより新興国は金融政策にせよ財政政策にせよ極めて大きな政策発動余地を有するという強みがあり、外部環境の好転がその潜在力を顕在化させる力になる。
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