ASEAN NOW (Vol.3)

人口規模・若さが生み出すアセアンの経済持続力

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2011年08月05日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

◆世界の人口分布を見るとアジアに集中している。2010年、世界人口69億人の内、アジア地域は約42億人を占めている。アジア地域の人口は、2050年あたりがピークで、その後は若干減少するが、規模の点では圧倒的存在感を保持し続ける。

◆アジアの一部であるアセアンも約6億人近い人口を有している。国連推計によれば、アセアンの人口は今後も増加し2050年頃には約7億5千万人に達する。アセアンは、人口規模の大きさに加え、人口構成が相対的に若く、従属人口指数が依然低下を続けている国が多い。これは、資源を成長に集中できる環境にあることを意味し成長段階ではプラス要因である。

◆一昔前、人口の多さは貧困の根本原因で、ネガティブな印象があったが、先進国からの技術移転等に伴い、発展途上の国々の成長達成に必要な期間が短縮化されたことで、人口は、生産要素、そして潜在的需要等の観点からポジティブな印象と受けとめられるようになった。

◆アセアンは、経済規模が極めて小さい一方で人口規模ではかなりの存在感がある。人口の多さが経済の原動力となりうる今、アセアンの今後の成長性には大いに期待できるので、経済的存在感は、どんどん高まっていくであろう。

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