工業化と都市化の進展は農民工の移動を要因とした労働供給の増加を必然的に引き起こす。本レポートでは、賃金上昇が農民工の出稼ぎ期間を増加させるかという点について考察する。賃金上昇に対する労働供給の弾性値は出稼ぎ期間の弾性値と労働参加の弾性値の2つに分けることができるが、農家のミクロデータに基づくと、出稼ぎ期間の弾性値は労働参加の弾性値よりもはるかに小さい。また、賃金上昇は出稼ぎの可能性を高めることができるが、出稼ぎの持続期間に対する影響は比較的小さく、男性の出稼ぎ期間の弾性値は0.40、女性では0.68である。さらに、出稼ぎ期間の弾性値は異なる集団間で比較的大きな差異を示している。学歴が比較的低い集団と若い世代の弾性値は大きいが、高学歴者や少し上の世代では弾性値が小さいことが判明した。
※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。
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