2022年10月04日
サマリー
◆上場企業の自社株買いが増えている。2022年の自社株買い実施額は、9ヵ月で前年(12ヵ月分)を上回った。今年の特徴として、突出した大型案件が減る一方で、実施企業数と1社あたりの金額が増えていることが挙げられる。
◆自社株買いの動きが広がりを見せている背景に、企業業績の改善や業績連動型の株主還元方針の強化がある。2021年度は、経常利益や当期純利益が過去5期間で最高となる中、株主還元比率が上昇している企業も増えている。TOPIX500採用銘柄の総還元性向(当期純利益に対する配当総額と自社株買い実施額の比率)は、2021年度では1/3の企業で50%超、2/3の企業で30%超となっている(決算期を変更した企業を除く)。
◆8月時点の2023年3月期の上場企業の業績見通しでは、前期並みの高い利益水準が予想されており、自社株買いも高水準で推移すると見込まれる。今後、小売や運輸セクターなどコロナ禍で業況が厳しかった企業の業績回復が進展すれば、自社株買いの動きはより広がるものと予想される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
成長と新陳代謝を促進するグロース市場改革
スタンダード市場への影響も注視
2025年05月12日
-
「少額投資の在り方に関する勉強会」報告書
東証は上場会社、投資家向けの情報発信などを強化
2025年04月28日
-
IR体制の整備の義務化
パブリック・コメントの開始/7月を目途に実施予定
2025年04月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日