2022年09月06日
サマリー
◆「その他資本剰余金」を原資とした配当(資本剰余金配当)を行う企業数は、リーマン・ショック時を超え、2021年度が最も多くなっている。コロナ禍の影響もあり、業績が芳しくない企業が増える中、赤字を一時的なものと捉え、無配とせずに資本剰余金配当を行う選択をした企業が増加したと考えられる。
◆企業が資本剰余金配当を行う主なメリットとしては、赤字等のため利益剰余金が少ない、またはマイナスの場合であっても安定した配当を行えることにある。デメリットは、業績が芳しくない企業が配当を行うための苦肉の策とネガティブに捉えられる可能性があることなどが考えられる。
◆資本剰余金配当を行う詳細な理由を開示しない企業も存在するが、資本剰余金配当を行う企業は、株主や債権者に対し、なぜ資本剰余金配当を行うのか丁寧な説明が望まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日

