資本剰余金配当を行う企業の特徴と今後の課題は何か?

コロナ禍の2021年度に資本剰余金配当を行う企業が最多を更新

RSS
  • 斎藤 航
  • 金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

◆「その他資本剰余金」を原資とした配当(資本剰余金配当)を行う企業数は、リーマン・ショック時を超え、2021年度が最も多くなっている。コロナ禍の影響もあり、業績が芳しくない企業が増える中、赤字を一時的なものと捉え、無配とせずに資本剰余金配当を行う選択をした企業が増加したと考えられる。

◆企業が資本剰余金配当を行う主なメリットとしては、赤字等のため利益剰余金が少ない、またはマイナスの場合であっても安定した配当を行えることにある。デメリットは、業績が芳しくない企業が配当を行うための苦肉の策とネガティブに捉えられる可能性があることなどが考えられる。

◆資本剰余金配当を行う詳細な理由を開示しない企業も存在するが、資本剰余金配当を行う企業は、株主や債権者に対し、なぜ資本剰余金配当を行うのか丁寧な説明が望まれる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート