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「○○ボンド」は新たな資金調達手段として根付くか?

企業によるSDGs債・サステナビリティ・リンク・ボンドの活用動向を探る

坂口 純也

サマリー

◆SDGs/ESGの潮流が盛り上がる中、資金調達という観点からは、資金使途を特定するSDGs債や、目標の達成状況によって債券の条件が変動するサステナビリティ・リンク・ボンドといった新しい債券が誕生している。本稿では、特に企業の資金調達に着目してこれら債券の設計や実際の活用動向を分析した。

◆SDGs債は資金使途が限定されており、発行に際して追加的なコストが生じることから、他の資金調達手段に比べてやや制約が大きい。ただ、発行プロセスを通じた自社のサステナビリティ活動の高度化やレピュテーションの向上などを望めるとの意見もあり、単なる資金調達以上の意味合いが期待されている側面もある。

◆企業によるSDGs債の活用動向は発行額のほかに、①資金調達手段としての位置付け、②発行企業の広がり、という2つの側面から捉えられる。SDGs債は社債という調達手段の中では存在感を増しているものの、個々の企業の資金調達から見るとその位置づけは限定的である。また、SDGs債を発行した企業の業種には若干の偏りが見られる一方、発行体のESGスコアは高低さまざまである。

◆サステナビリティ・リンク・ボンドは、資金使途を制約しない一方でサステナビリティについての目標と未達時のペナルティを負うものである。これまでの発行事例を見ると、目標については排出量の削減を掲げる企業が多いなか、それぞれの事業内容に沿った独自の目標を掲げる例もあった。ペナルティについては、金利のステップアップや償還額の増額が主流だが、これらは投資家と発行体のインセンティブが一致しなくなるという問題を孕んでいる。一部ではこれを解消しようとする工夫も見られており、発行事例の蓄積を通してベストプラクティスが追及されるのが望ましい。

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