G20への期待と不安。リベラルな国際秩序の動揺は収束するか

『大和総研調査季報』 2018年秋季号(Vol.32)掲載

RSS

サマリー

最近では米中の通商摩擦の激化に代表されるように、ブレトンウッズ体制の基盤でもあるリベラルな国際秩序(大国のパワー・バランスではなく、国際的な枠組みのメンバーとして参加することで、小国でも発言の機会が与えられ、法の支配の中で、自国(民)の利益を求めることができる民主的な国際秩序)が揺れ動いている。Brexit、トランプ政権の誕生など、リベラルな国際秩序の中心であった米英から反グローバリゼーション、反多国間主義など、これまでの国際秩序の中心的な価値観を否定するような政治的な動きが続いている。

これまでのリベラルな国際秩序の動揺を収束させるためには、G20サミット(以下、G20)は危機対応の役割に加えて、国際経済協力のネットワークとして果たす役割が大きい。このような中、2019年のG20の議長国である日本がどのような課題を議論していくのか、非常に注目されよう。本稿では、2008年からのG20の過去12回の歴史を紐解くことと同時に、2018年の5月に行われたカウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)の年次総会での国際協調の10の課題の評価と2019年5月のCoCの評価を想定しながら、2019年のG20で何が求められるのかを考えていく。

大和総研調査季報 2024年新春号Vol.53

大和総研リサーチ本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

大和総研調査季報(最新号はこちら)

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。