2017年10月18日
サマリー
◆海外投資家の日本株保有比率は一貫して上昇傾向が続いている。地域別では、北米からの投資が増え、欧州ではルクセンブルクから投資が増えている。
◆北米では投信の残高が増え、海外株式比率が上昇している。米国の経済成長ペースの鈍化を背景にIRAや401kなどの確定拠出年金などの退職貯蓄が海外志向を強めている。
◆欧州では、投信大国のルクセンブルクの保有が増えている。ルクセンブルク籍の投信の投資対象に日本株が組み入れられたとみられる。
◆国内勢では個人投資家の売買が短期化志向を強めている。市場の流動性を高めるが、長期的な経済成長の恩恵を期待する取引ではない。整備が進んだ制度貯蓄による長期資金の増加が期待される。
◆巨大な年金資産を抱えるオーストラリアの事情を見ると必ずしも海外投資家の比率が低下しているわけではない。経常収支黒字国の日本で海外へ資金が向かうのは自然であり、新しい制度貯蓄を利用した長期の資産形成が進んだとしても、国内勢の日本株保有比率が上昇するとは限らない。
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