巨額の米国外企業等のドル建て負債
返済等の規模が最も大きいのは先進国で2015年、新興国等で2017年
2015年03月10日
サマリー
◆米ドルの上昇や年内に実施されると見込まれる米国の利上げを背景として、米国以外の企業や政府(企業等)の米ドル建て負債残高が注目されている。
◆米国以外の企業等(銀行を除く)による米ドル建ての負債での資金調達額(シンジケートローンの借入額と債券発行額の合計)は、英国、カナダ、ドイツの企業等が大きな割合を占める。新興国ではロシア、メキシコ、ブラジル、中国の企業等の米ドル建ての負債での調達額が大きい。
◆企業等の負債の返済・償還実績(2014年以前)と今後の返済・償還予定額(2015年以降)を見ると、返済・償還額は徐々に増加しており、ここ数年が最も高い水準にある。その規模が最も大きくなる時期は先進国と新興国等で異なり、先進国では2015年、新興国等では2017年である。
◆今後、メキシコ、ブラジル、中国の企業等は返済・償還予定額の規模が今までよりも大きくなる。特に、中国は2016年~2019年に返済・償還予定額が顕著に増加する。もっとも、企業によって返済・償還の状況は異なるため、個々の企業の動向に留意が必要だろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月22日
金融商品の評価
金融商品の価値はどのように算定するのか?
-
2021年01月22日
2020年12月全国消費者物価
コアCPI変化率は約10年ぶりに▲1%台まで下落幅が拡大
-
2021年01月22日
家計の住宅ローンを点検する
近年の動向とコロナショックによる現時点での影響
-
2021年01月21日
2020年12月貿易統計
欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み
-
2021年01月21日
社外取締役に期待される役割の開示~改正会社法施行規則
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く