2012年02月01日
サマリー
◆低金利下でも国庫短期証券入札が過熱している。日銀の当座預金口座にも超過準備預金が積み上がっており、欧州信用不安等を背景にグローバルな逃避資金が流入していると考えられる。
◆これまでの為替介入や「埋蔵金」取り崩しから、国庫短期証券の市中消化額は増えていくとみられる。超過準備への利息や短期金利の内外金利差等からは、それなりの優位性があり、海外主体による保有額、保有比率の増加も当面は続くと考えられる。
◆海外主体による国庫短期証券の保有増により、日本と直接関係がない海外イベントが生じた場合でも、国内の需給動向が左右される可能性が高まったことになる。将来の中長期国債の海外需要の増加と減少に備え、テストケースになり得るかもしれない。
◆各国当局による米国債需要の減退が続いており、本邦短期債需要の動向には、2000年代からのグローバル・マネーフローの構図の変化が現れる可能性も踏まえておく必要があろう。
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