2025年01月24日
サマリー
米国のウェルスマネジメント市場の発展の経緯は、日本の市場の将来性を展望する上で重要である。本稿では米国の家計資産および家計金融資産の成長要因を分析し、日本の家計金融資産の将来の成長シナリオ実現のための条件を提示していく。ここでは、米国の家計金融資産の成長要因として、1)世代ごとの富裕層増加の好循環(各世代の家計のバランスシートの健全性を維持し、早期に資産形成に取り組む)、2)リーマン・ショック後の個人投資家の投資アドバイス・ニーズの高まり、3)資産形成アドバイスを提供する金融機関の高まる役割の重要性、4)ミューチュアルファンドからマネージドアカウントへのシフト(アドバイザー中心の手数料体系の変化)の4つを挙げる。特に、米国の経済成長に伴う株式市場の上昇による個人の資産所得向上を、投資アドバイスを中心とした金融機関の付加価値改善により、どの程度実現できるかが鍵となった。加えて、規制当局が個人投資家保護規制を強化する中でも、金融機関がアドバイスの手数料を厚くできるようなインセンティブを与えることで、金融機関はアドバイスという付加価値を追求してビジネスモデルを変革させていく推進力を維持できている。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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