2020年02月27日
サマリー
◆本稿では財務データの解釈における機械学習の応用可能性を探った。地方銀行を財務データに基づき収益構造別に分類(クラスタリング)し、特異な収益構造を持つ銀行の特定や、分類された収益構造ごとに利益率との関係を見出すことが可能かを検証した。
◆クラスタリングの結果、6行が特異な収益構造を持つ銀行として割り出された。いずれにおいても、他行との目立った差異が見られ、機械学習による特異な決算内容を持つ銀行の特定が適切にできたといえるだろう。その他の銀行は収益構造に基づき4グループに分けられた。グループは主に経費率の大小と、収益源に占める貸出金利息の割合の高低によって分かれた。分類されたグループと利益率の間には一定の関係を見出すことができた。銀行の収益性の動向を考えるにあたり、財務データによるクラスタリングは有用な手段の一つであると考えられる。
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