英国企業財務報告評議会(Financial Reporting Council)が、英国企業株式を保有する機関投資家向けに策定した株主行動に関するガイドラインをスチュワードシップコードという。2010年に7月に公表され、2012年9月に改定された。資産運用を受託する機関投資家がスチュワードシップに沿った行動をとることで委託者の利益を実現するとともに、企業の長期的成功を促し、そして経済全体に寄与するとの考えから策定されたものである。スチュワードシップとは、「管理者の心掛け」というほどの意味でキリスト教の聖書にも出てくるが、資産運用に関しては、受託者としての行動の在り方をいうものと考えていいように思える。
スチュワードシップコードは、機関投資家が順守すべき次の7つの原則から構成されている。
- 機関投資家としてのスチュワードシップ責任遂行方針を公表する
- スチュワードシップに関する利益相反を管理するための強固な方針を設定し、これを公表する
- 投資先企業をモニター(監視)する
- スチュワードシップ行動活発化の時点と方法に関するガイドラインを設ける
- 適正と考えられる場合には他投資家と協業する
- 明確な議決権行使方針を設定し、行使結果を公表する
- スチュワードシップと議決権行使に関して定期的に公表する
スチュワードシップコードは、法的な義務というわけではなく“Comply or Explain”による規制である。これは、ある規範に従う(Comply)べきであるが、従わない理由を合理的に説明(Explain)すれば従わなくともいいという規制方法だ。つまりは、順守するかどうかは自主的に判断できるというものである。この“Comply or Explain”型の規制の場合には、順守しない理由を真摯に説明せずとも問題とされないこともあり、実効性には疑問がある。
また、スチュワードシップコードは、スチュワードシップを有する機関投資家が投資先のモニタリング、エンゲージメント、議決権行使等を行うということを記しているが、機関投資家のスチュワードシップ自体の定義はしていない。
参考文献
UK Stewardship Code
(2013年4月26日掲載)
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